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若いときからの喫煙(平均して1日11本、約50年)がたたったのか、肺気腫にもなり、心臓と肺に欠陥を持つ身となってしまった。
Kさんは奥さんが亡くなってから1人で暮らしていたが、かなり不安だった。
長男夫婦は自分たちが一緒に暮らして面倒を見るといってくれたが、これはきっぱり断った。
というのも、Kさんが結婚当初、家がないこともあったが、両親と同居した際、Kさんの奥さんが母親にいじめられたのをまざまざと覚えていたからである。
Kさんは、どんなことがあっても息子夫婦とは一緒に暮らすまいと若いときから決心していたのだ。
たまたま、Kさんの友人が1人で暮らすよりも、いいところがあるからといって、特別養護老人ホーム(以下、特養)を紹介してくれた。
Kさんの健康状態では、かつて社会福祉事務所が特養へ入所者を選定していた時代では、ちょっと入所できなかったかもしれないが、Kさんも身体の状態(AD−)は必ずしもよくなくて、介護が必要ということでこの千葉県の特養「A荘」に入所することにし、自分が今まで住んでいた家は長男夫婦が住むようにした。
長男は単なるサラリーマンで医学や健康に素養がなかったが、長男の奥さんは保健婦の資格を持っていて、大企業の健康管理室に勤めているベテラン保健婦である。
そこでKさんは「何かあったときには頼む」ということでこの特養に来たといういきさつがある。
それとKさんは、この特養のA荘に入所してみて「特養という場所は、こんなにも医療のないところなのか」と疑問に思っていた。
特養のなかには痴呆の患者さんもいる。
痴呆の人とは別の部屋になっているが、そのなかには俳個する人がいる。
外に飛び出してどこに行くかわからない。
そこで特養のなかに回廊が設けられていて、痴呆で俳個する人はここをグルグル回っている。
Kさんはその光景を見て、たまたま会ったA荘の施設長に「痴呆の人を見ていると気の毒な気がしますが」といったところ、施設長は「ああして1日中歩いていると十分に運動したことになって、疲れて夜はよく眠りますよ。
これは厚生省でも認めている“介護”ですよ」と答えた。
この施設長は自分の考えで入所者にマージャンをするようにすすめている。
誰かが「手を使うと老化が進まない」というようなことを入れ知恵したらしい。
それはそれとして効果があるのかもしれないが、マージャンをしない人も世の中にはたくさんいる。
入所者でマージャンをしない人はどうするのかというと、何もしないで自室で寝ているという状態である。
話を元に戻そう。
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